東京発Webシステム開発会社TDTCの徒然ブログ

Webシステム開発と財務戦略:経営から考えるWebシステム開発と財務戦略上の要点を徹底解説

前回シリーズのコラム『第1回 Webシステム開発とは』では、失敗しないWebシステム開発のための取組方法をご案内しました。今回はこの観点をさらに昇華すべく、企業経営における財務戦略に踏み込んでWebシステム開発を考えてみたいと思います。


Webシステム開発と財務戦略(はじめに)

本コラムをご覧中の皆様は、事業成長過程または新規事業参入の検討段階にあり、何れの場合も共通して本業が好調である状況かと思慮されます。さらなる確かなご発展のためにも、以下の財務戦略論を是非ご一読ください。また、前回シリーズのコラム『第1回 Webシステム開発とは』も併せてご覧頂くとより効果的です。


Webシステム開発と資金調達(ファイナンス)

Webシステム開発の予算が決まったら、開発に係る資金調達方法を検討します。ここでは、4つの資金調達方法をご紹介します。


自己資金(自己資本)

起業段階であれば資本金を、それ以外であれば基本的には繰越利益剰余金(内、現金)といった内部留保をWebシステム開発への投資に充てることとなります。この場合、Webシステム開発がもたらす恩恵から得られる期待利益と、その他の現実的に選択可能な投資機会によるそれ等とを比較した将来時点における(期待)自己資本利益率(ROE:Return On Equity)を意識すると良いでしょう。


借り入れ(負債)

金融機関からの借入が可能であれば、検討してみるのも良いでしょう。ただし、借入は将来利益の先取りであることを決して忘れてはいけません。借入は、財務レバレッジが効く分だけ総資産利益率(ROA:Return On Asset)に大きく影響を与えるので、より一層慎重なWebシステム開発の目的、予算と期待利益に注意を払うことが求められます。

営業外費用は「支払利息」となり、消費税は非課税となります。


レベニュー(またはプロフィット)シェア型契約(他人資本)

Webシステム開発受託会社に開発費用の一部ないし全部を負担してもらう代わりに、開発したWebシステムの活用を通じて当該事業から得られた売上(または利益)の一部を予め合意した内容に従って分配する契約です。初期段階における投資金の手出しを抑えられますが、いわゆる現物(労務)出資の様な形態をとっており、性格的には第三者による出資に近い開発方法です。運命共同体となったWebシステム開発受託会社の手厚い協力が期待できる一方で、実体としては企業間における資本業務提携と言っても差し支えないと考えられますので、相互の信頼関係や当該事業が大きく成功した際の売上(または利益)分配減などの懸念が残ります。

レベニューシェア型契約の場合、販売費及び一般管理費は「業務委託費」となり、消費税は課税となります。

プロフィットシェア型契約の場合、営業外費用は「支払配当金」となり、消費税は不課税となります。


補助金・助成金

国や地方自治体が実施する以下に挙げる補助金などを活用するのも一つの手となります。

IT導入補助金

ものづくり補助金

事業再構築補助金

小規模事業者持続化補助金

各自治体で実施する補助金


Webシステム開発における人件費と消費税

自社開発(内製化 - 社員)の場合

販売費及び一般管理費は「給与+法定福利厚生費(社会保険料)」となり、消費税はそれぞれ不課税非課税となります。


自社開発(内製化 - 派遣常駐・非常駐)の場合

販売費及び一般管理費は「人材派遣費(または外注費)」となり、消費税は課税となります。


外部委託(外注化)の場合

販売費及び一般管理費は「外注費」となり、消費税は課税となります。


オフショア開発の場合

販売費及び一般管理費は「外注費」となり、消費税は免税となります。


Webシステム開発における減価償却

Webシステム開発における減価償却費の計上判断において、当該Webシステムが確実に将来の収益獲得または経費削減に貢献することを前提とした場合、自社利用目的のソフトウェアの場合は原則5年以内、市場販売目的のソフトウェアの場合は原則3年以内に減価償却します。

販売費及び一般管理費は「減価償却費」となり、消費税は不課税となります。


Webシステム開発と財務戦略(まとめ)

これまで見てきた様に、Webシステム開発の財務戦略は資金調達方法の選定に始まり、Webシステム開発の取組方法によって計上可能な販売及び一般管理費や消費税(⇔支払い消費税分との相殺ないし還付)も大きく異なってきます。これ等の点も踏まえた上でWebシステム開発に取り組むと、より良い成果が期待できるでしょう。次回コラムでは『Webシステム開発の成功事例』をテーマにお届けします。


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