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オンライン金融取引事業-高頻度取引HFTとは?その怪しげな最高峰技術の深淵に迫る

今回のコラムでは、「金融ビジネスとシステム」分野の最高峰と言っても決して過言ではない高頻度取引(HFT: High Frequency Trading)につき特集します。


高頻度取引HFTとは?(はじめに)

高頻度取引とは、①流動性アグリゲーション(Liquidity Aggregation)、コロケーション(Collocation)およびクロスコネクト(Cross-connect)などの技術を通じ、②極小化された通信レイテンシーで実現する情報取得の優位性を活かし、③極短時間の内に、④予め構築されたアルゴリズムに従って、⑤大量の銘柄および件数の売買を反復継続して安定的に利鞘の上積みを目指す取引手法です。


流動性アグリゲーション

前回コラム『レート・アグリゲーションと配信』をご参照ください。


コロケーションとクロスコネクト

コロケーションとは、取引の相手方(主としてリクイディティ・プロバイダーであるマーケット・メイカーや取引所など)と同一拠点のデータ・センター内に自らの取引アルゴリズムが格納されたサーバーを設置することであり、クロスコネクトとは、両者のサーバー同士を専用回線で直接相互接続することである。いずれも両者の通信レイテンシーをマイクロセカンド単位まで極少化させることを狙う。

特に同分野を語る上で押さえておきたい国内外の主要データ・センターとして、EQUINIXAWS(Amazon Web Service)@TokyoおよびBeeksの各社を挙げておく。


通信レイテンシー

通信レイテンシー(Latency)とは、二拠点間の通信に要する時間を指します。今日の金融市場においては、如何にこの通信レイテンシーを極小化できるかで熾烈な競争が繰り広げられています。電話回線、光回線、マイクロ波通信とこれまで発展し、日々より早くが求められています。

何故なら、競合他者の誰よりも早く正しく市場価格と流動性を察知し、誰よりも早く売買の意思決定と発注を先回りして実行できることは、莫大な利益を生み出すことに直結するからです。

特に裁定取引(アービトラージ:Arbitrage Trading)の類は最も親和性が高く、高頻度取引の代表例です。米国ヘッジファンドCITADEL社がその最たるプレイヤーです。


高頻度取引HFTとは?(まとめ)

今回のコラムでは、高頻度取引を語る上で必要となる実務的な基礎知識につき簡単に触れて参りました。同分野は、書籍「フラッシュ・ボーイズ」や映画「ハミングバード・プロジェクト」でよりリアルに描かれています。ご興味のある方はお勧めですので是非!


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