東京発Webシステム開発会社TDTCの徒然ブログ

Webシステム・アプリの受託開発をコア事業に手掛ける株式会社TDテクノロジー&コンサルティングがお届けする最先端IT技術にテーマを絞って綴るブログです。話題のFin-TechやAIなど有益な情報満載でお届けします!

最先端技術-暗号通貨マイニング

最終更新日時:2025.01.10  記者:斉藤健史

今回のコラムでは、ブロックチェーン技術を応用したサービスの代表例である暗号通貨におけるマイニングに関して特集します。皆さんも一度はご自身で挑戦や同分野への投資を検討されたことで多少の馴染みがあるのではないでしょうか。

本コラム理解を一層深めるために、前回コラム『ブロックチェーン』を是非ご一読ください。


暗号通貨マイニング(はじめに)

暗号通貨のマイニングは、暗号通貨の仕組みを支えるインフラ(ブロックチェーン)機能を一参加者として担う行為であり、基本的には投資や投機の対象ではありません。しかし、その仕組上しばし非常に魅力的なそれ等として捉えられてきました。


暗号通貨のマイニングとは?

暗号通貨におけるマイニング(Mining)とは、暗号通貨に係る取引内容を、コンピューター演算を通じて正当かつ真正な取引として取引台帳(ブロック)に記述する作業の対価として、最初にこの更新作業に成功した者(採掘者:マイナー/Miner ※バリデーターと同義)に新たに発行された暗号通貨が報酬として支払われる仕組みです。この報酬獲得が鉱山から宝を探し当てるほど困難なことからマイニングと名付けられました。

マイニングの形式は、以下の2つに大別されます。

プルーフ・オブ・ワーク(PoW:Proof of Work)

マイニング・アルゴリズムの一種。計算能力の高いマイナーほど承認権限が強くなり、安全性が高いメリットがある一方で、大量の電力消費が強いられるデメリットがあります。プルーフ・オブ・ワークの代表的な暗号通貨は、ビットコインです。

プルーフ・オブ・ステーク(PoS:Proof of Stake)

マイニング・アルゴリズムの一種。その暗号通貨をより多く保有するマイナーほど承認権限が強くなり、プルーフ・オブ・ワークとは異なり省エネルギーかつ取引処理にも優れています。プルーフ・オブ・ステークの代表的な暗号通貨は、イーサリアム(※イーサリアムは、2022年9月15日にプルーフ・オブ・ワークから移行しました。)です。


マイニング機器についての話

暗号通貨のマイニングは、それぞれの通貨特性に応じて最適なマイニング機器も異なります。マイニング機器に必要な代表的な演算装置は、以下のとおりです。

CPU(Central Processing Unit)

CPUは、皆さんのパソコンにも必ず内蔵されている演算装置であり、暗号通貨の誕生初期であればCPUでマイニング可能な場合もしばしばです。2009年に誕生したあのビットコインでさえ同様でした。対象暗号通貨の普及に従い、CPUでのマイニングは非現実的なものとなります。

GPU(Graphics Processing Unit)

GPUは、一般的に言語、画像や音声処理などに利用され、複雑な計算処理を得意とします。高機能GPUにより、快適な動画やゲームなどが楽しめます。近年ではAI分野のディープラーニングの行列計算にも活用されています。GPUマイニングは、2010年後半から普及し始めました。

FPGA(Field Programmable Gate Array)

FPGAは、製造後に購入者が自由に構成を設定できる集積回路です。FPGAマイニングは、2011年頃から見られる様になりました。

ASIC(Application Specific Integrated Circuit)

ASICは、特定の用途向けに複数機能の回路を一つにまとめた集積回路の総称です。単純な反復計算の大量処理を得意とします。ASICマイニングは、2012年頃から見られる様になりました。

それぞれの機器の特徴

ASIC GPU FPGA
計算能力
省エネ性
取組難度
特  徴 特定の暗号通貨しか採掘できない。 様々な暗号通貨を採掘できる。 高度な専門知識が必要。


熾烈を極めるマイニング競争

暗号通貨のマイニングは、世界中に数多くの競合他者が存在します。彼らは日々新しいASIC開発やGPU確保などマイニング機器への投資を実施しているので、短期間でマイニング機器は陳腐化していきます。加えて、暗号通貨のマイニングにはブロック数が増える毎に増す難易度(Difficulty)が存在し、それが増す毎に採掘数量も減っていく運命にあり、これが更に競争を厳しくさせる要因となっています。


暗号通貨マイニングの始め方

暗号通貨マイニングの取組み方は、主に二通りあります。一つは、自身でリグと一般的に呼称される暗号通貨マイニング機器を組立て、任意の暗号通貨のマイニング・プログラムを稼働させ、暗号通貨毎のマイニング・プール団体に参加することで採掘力(ハッシュパワー)を貢献し、貢献度合いに応じて分配を受けます。一つは、マイニング・サービスを提供している会社から予算に応じたハッシュパワーを一定期間レンタル借りし、期間内に限り分配を受けます。

前者は、リグの選定・組立て、マイニング設備の確保やマイニング工程の管理運営などの一切を自身で実施する必要があります。全ては自身の財産として帰属し、費用対効果が運営費を上回る限りにおいては無期限にマイニング収益を享受できます。

一方、後者は全てを丸投げのお任せにできる手軽さや撤退の身軽さなどマイニング投資のリスクをぐっと抑えられますが、一切自身の財産とはならず、ハッシュパワーのレンタル期間終了時点で投下金額と回収金額の差額で最終的な投資成果が決まると言う違いがあります。


暗号通貨マイニング(まとめ)

今回のコラムでは、暗号通貨マイニングの基礎的なエッセンスについて触れました。今日ではビットコイン・マイニングの様な参入障壁の高さや、エコシステム化される傾向にある暗号通貨の存在で一時の過熱感はもはや過去のものとなり落ち着いていますが、暗号通貨の仕組みの基礎を語る上でもマイニングとその歴史は大切です。


※本コラム内に掲載される全てのコンテンツは、あくまで投稿時点における当サイト運営者個人の見解に基づくものであり、その内容、詳細、数値データなどに係る情報源、正確性、即時性および適性に関して何ら保証されるものではありません。

※本コラム内に掲載される全てのコンテンツは、事前の予告無しにその一部ないし全部を訂正、修正、変更、削除(掲載中止)または追記される場合がございます。

※本サイトのご利用によって生じたあらゆる結果、責任、負債、損害および損失等に関し、当サイト運営者は、理由の如何を問わず一切の責任を負いません。

※本コラム内の一切の著作権は、当サイト運営者に帰属します。

※本コラムの無断転載は、固くお断りします。

Webシステム・アプリの受託開発をコア事業に手掛ける株式会社TDテクノロジー&コンサルティングがお届けする最先端IT技術にテーマを絞って綴るブログです。話題のFin-TechやAIなど有益な情報満載でお届けします!